みなさんこんにちは。
このブログでは、現役看護師が、健康について考え、実践したことなどを気ままに綴っています。
本日のテーマは、自立した高齢者の健康習慣についてです。
私が関わってきた高齢者の方々で元気だなあと感じた方の習慣について書いていきます。
「犬のお世話に、自分たちのご飯作りに忙しくて…おばあちゃんになっても休む暇ないよ〜!(にこにこ)」
「畑や庭の手入れ毎日してる。体動かすのが合ってるんだわ」
お元気な方たちは、テレビやスマホを見てごろごろ…ではなく、掃除や調理、庭の手入れ、外食、散歩を楽しむ、デイサービスに行くなど、特別な運動習慣がなくても、日常生活の中でよく動いておられるようです。
活動量と、健康への効果
日常生活での活動量が多いことは、長寿や健康に多くの良い影響をもたらすことが、さまざまな研究で明らかにされています。定期的な運動だけでなく、日常生活の中で体を動かすこと自体が、心身の健康に大きく貢献する要素です。日常的な活動がもたらす主な健康効果を説明します。
1. 心血管系の健康向上
日常生活の中での活動(歩く、階段を使う、掃除をするなど)は、心臓や血管の健康を維持するのに役立ちます。軽い運動でも、血液の循環が良くなり、心血管系疾患のリスクを減らします。特に高齢者において、日常の軽い活動でも心臓病や脳卒中の予防に効果があることが報告されています。
2. 代謝機能の改善
定期的な運動だけでなく、立つ、歩く、家事をするなどの日常的な体の動きは、基礎代謝を高め、エネルギー消費を促進します。これにより、肥満や2型糖尿病のリスクを低減することができます。活動量が多い人は、食後の血糖値やインスリン感受性が改善されることが研究で示されています。
3. 筋力・骨密度の維持
日常的な動作(例えば、荷物を運ぶ、庭仕事をする、階段を上る)は、筋力と骨密度を維持するのに役立ちます。特に高齢者において、筋力と骨の強さは、転倒や骨折を防ぐために重要です。日常の活動が少ないと、筋力や骨密度が減少しやすく、将来的な障害や要介護リスクが高まる可能性があります。
4. 精神的な健康の向上
日常的に体を動かすことは、メンタルヘルスにも大きな効果があります。活動が増えることで、エンドルフィンが分泌され、ストレスや不安を軽減します。さらに、屋外での活動(散歩やガーデニングなど)は、自然との接触を増やし、気分を改善し、うつ症状の軽減に役立つことが示されています。
5. 認知機能の維持
日常的な身体活動は、脳の健康にも影響を与えます。軽い運動でも、脳の血流が改善され、記憶力や認知機能が向上することが報告されています。特に年齢を重ねるにつれ、活動量が多い人はアルツハイマー病や認知症のリスクが低いことが示唆されています。
6. 免疫機能の強化
日常的に体を動かすことで、免疫機能が強化されることが分かっています。軽い運動や日常の活動は、免疫細胞の活動を活発にし、感染症や慢性疾患のリスクを低減します。逆に、座りっぱなしの生活は免疫機能を低下させる可能性があり、体を適度に動かすことが健康維持にとって重要です。
7. 睡眠の質向上
日中の活動量が増えると、夜の睡眠が深くなりやすく、睡眠の質が向上します。体を動かすことで、疲労感が適度に生じ、入眠しやすくなるとともに、睡眠中の体の回復も促進されます。また、夜に熟睡することは、翌日のエネルギーを高め、さらに活動的な生活を送りやすくします。
8. 社会的つながりの強化
活動的な生活は、他者とのつながりを強める機会を増やすことにもつながります。例えば、ウォーキングやスポーツを通じて仲間と交流したり、外出や買い物などの機会が増えることで、社会的な孤立を防ぐことができます。社会的なつながりは、心理的な安定感を保ち、長寿にも貢献するとされています。
9. 寿命の延長
日常的な活動が多い人は、座りっぱなしで活動が少ない人に比べて、死亡リスクが低いことが多くの研究で示されています。例えば、毎日一定時間歩く習慣がある人は、心臓病やがんなどのリスクが低く、結果として長寿につながることが明らかにされています。
結論
日常生活での活動量が多いことは、身体的・精神的健康を支える重要な要素です。掃除や庭仕事、階段の利用、散歩など、特別な運動でなくても、日常の中でこまめに体を動かすことが、長期的な健康と長寿に貢献します。
いかがでしたか?
普段の生活の中で、立つ、歩くなどの時間を増やすことは心身の健康に役立ちます。
立ったままPC作業をされる方もおられるので、工夫次第で活動量を増やすことは出来そうですね。